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きれい好きを公言する知人は、猫好きでもありました……

ぽんかん さん からの投稿

 

私の知人に、「自分は『きれい好き』なの」と公言している人がいます。

その人は、常々こう言っています。

「あたしは『内』と『外』の区別はちゃんとする人間なの。

土足でうっかり家の中の床とか踏まれたくないの」

しかし、そうは言いましても例えば玄関先の土間で靴を脱いで、首尾よくそのまま家の中に上がれない時もありますよね。

うっかり躓いてしまうことだってありますし。

そうすると、靴下が土間の地面に着いてしまい、そのまま足の裏を拭かずに家の中へと上がる人も多いです。

しかし、その知人にとっては、それは我慢ならない事態なのです。

以前、私も身近でたまたま目撃したことがありました。

知人の夫が仕事から帰宅した時、土間で靴を脱いだ直後、少しよろけたのです。

すぐに体勢は立て直したのですが、そのまま靴を脱いだ足が、土間の地面に着いてしまいました。

知人の夫は、そのまま構わずに家の中に上がろうとしました。

すると。

「ちょっと! あんたっ! ダメよっ! ダメダメダメっ! 汚いでしょっ! 今、雑巾を持って来るからっ! あんた、今、足が土間の地面に着いたでしょうっ! ちゃんと足を拭いてから上がってくださいなっ! ホントに汚いんだからっ!」と、まあこんな調子なのです。

その直後。

「ミャー」

知人の飼っている飼い猫のミャーコも、外のお散歩から戻って来ました。

「あらぁ」

知人はすっかり相好を崩し、外の、どこの地面を歩き回ったかも分からない最愛の飼い猫を土間から抱え上げると、さかんに撫でさすり、ひたすら頬ずりをしました。

「ミャーちゃーん、遅かったわねー、心配してたのよぉー。お腹空きましたでしゅねー、すぐにミルクと猫缶あげますからねー」

そう言いながら、外を歩き回って帰って来た猫を拭くことなどなく、そのまま大事に抱きかかえて家の奥へと入って行きました。

ミャーコは御機嫌なのでしょう。

「ミャー、ミャー」とさかんに鳴いていました。

知人の夫が、私にポツリと一言。

「こっちは泣きたいよ」

おあとがよろしいようで。