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小5のクラス単位の百人一首大会

かしん さん からの投稿

 

小学校5年生のとき、担任の先生が百人一首大会を企画して二日に一回程度の頻度で放課後にやっていました。

クラスの人数分の格付けがされており、最上位が「大師匠」「師匠」「師範」とランク付されていました。

100枚を20枚5組に分けてシーズン戦のようにやっており、各シーズンで5連続大師匠の座を守り抜くとタイトル達成でご褒美がもらえるというものだったのですが、初めは1回勝てば1回負けるという程度で私はそれほど興味がありませんでした。

しかし、クラスの人気者の男の子Mが百人一首でもトップにいることに嫉妬を感じたのがきっかけで、絶対トップの座を奪ったるという一心で本気で覚えはじめました。

家に帰ったら机に向かってひたすらシャーペンでノートが真っ黒になるほど書き殴り、ご飯を食べるのも忘れるくらい没頭していました。

覚え始めはまだ成果が出ず負けることもありましたが、一切挫けずに毎日暗記しました。

そうすると、1週間経った頃には自然と勝てるようになり、連勝が続くようになりました。

そして上位に食い込みはじめたある日、Iさんと当たりました。

友達からは「次の相手は上位勢のうちの一人で強いから気をつけろ」とエールをもらう。

毎日暗記した成果が本当に現れる一戦でした。

スラムダンクでいう翔陽戦のような立ち位置の一戦でしたが、結果は14対5と余裕の勝利でした。

自分に自信がつくようになった一戦でした。

この勝利をきっかけに、Mから意識を向けられるようになりました。

5連勝タイトルを脅かす存在として危機感を感じていたのかもしれません。

もちろん暗記は続け、上の句を読まれた瞬間に札を取れるレベルに持っていきました。

もちろんそのスピードと質も高め続けていました。

その後も上位勢と対戦しては難なく勝利を繰り返しました。

その間にMは大師匠の座に上り詰め、連勝を重ねていました。

そしてMの5連勝タイトルを得るその5連勝目が自分となったのです。

なんという偶然でしょうか。

これまでにない盛り上がりで、他のクラスからも観戦者がたくさんきており、黄色い声援も飛んでいました。

完全にアウェイでした。

そんな中、勝負が始まります。

初めの1枚目、今まで練習してきた成果を見せつけ、私が取りました。

しかし2枚目、Mも同じくらいのスピードで札を取ってきました。

事前に勝負の様子を見ていたので今までの子らとは違ってかなり早いことはわかっていたのですが、それでも目の前にして同レベルなことを実感しました。

そんな中、私はお手つきをしてしまったのです。

お手つきをすると、お手つきした側の持っている札がどちらの物でもなくなり、次に札を取った側がその札も一緒に取ることができるルールでした。

8枚目の時点でお手つきをしてしまったので、次の札を取らないと負け濃厚になってしまいます。

しかしこのプレッシャーに負けず、次のふだを取ることができました。

その後も両者譲らず、最終的に9対9までもつれ込み、最後の1枚の勝負になりました。

百人一首を読む先生含め、周りの目線を一斉に集めた状態での緊張の一瞬でした。

そして、最後は私が取りました。

とてつもない歓声が湧き上がり、周りからの祝福を浴びました。

友達もかなり興奮しており、自分も興奮して夢のような気分でした。

これをきっかけに次々と新しい猛者が現れ、Mの一強時代は幕を閉じました。

その後、中学校3年生まで百人一首といえば必ず私の名前が出るようになりました。